『EQ(心の知能指数)』

先日、あるセミナーに参加したところ、とても良い気づきがありましたので共有したいと思います。話のテーマとしてはこれから活躍するリーダーはどうあるべきか、というものでした。

第一にリーダーは「正しい人間」でなければならないということでした。正しい人間とはEQ(心の知能指数)の高い人間であり、一言でいえば人徳があり誰からもリスペクトされるといったイメージでしょうか。

そのようなリーダーの下にはIQ(知能指数)の高い人間が集まります。そしてIQの高いメンバーはEQの高いリーダーの下でいきいきと主体的に働き、どんどん成果を上げます。そんなモチベーションの高いチームをつくることがリーダーの役割である、というのが今回のセミナーの概要です。

これまで社員の皆さんには「主体性を持って仕事をしましょう」というメッセージを幾度も発信をしてきましたが、そもそも我々リーダーがメンバーのやる気を引き出し、主体性を発揮できる環境を積極的につくろうとしてきたか、というのが今回の気づきです。

例えば、部下が業務でミスをしたときに相手の話を聞かずに一方的に指導していないか、部下と議論になったときに正論をかざしてマウントを取っていないか、これぐらい分かって当然だろう或いは忙しいことを理由に詳細な説明を怠っていないか、といったことを今一度、自問自答してみる必要があります。

これらは全て人間のエゴ(自我)というものであり、このようなリーダーの下ではモチベーション高く主体性を発揮するチームが生まれることはないですね。

リーダーは部下をマネジメントする前に自分のエゴ(自我)をマネジメントしなければならないということです。そして部下のマネジメントとは業務のマネジメントではなく、部下一人ひとりの心のマネジメントを行うことが本質なのですね。

これは日々の自分の言動を深夜や早朝の心が穏やかなときに振り返り・反省を行うことしかこの力を身に付けることはできません。いわゆる静かに自分の心に向き合う自己内省です。そして、部下のその日の表情や言動から部下の心の中の真実を想像してみるということの積み重ねがEQ(心の知能指数)を高めていくのだと思います。

京セラ創業者の稲盛さんが提唱する「考え方×熱意×能力が人生・仕事の成果をつくる」という方程式があります。

この中で最初の「考え方」が一番大事であると言われています。なぜなら考え方だけがマイナス100からプラス100まであり、考え方がマイナスになったら結果は全てマイナスになるからです。従って、正しい考え方、良い考え方を身に付けることが極めて重要であるということです。

これは冒頭の「正しい人間」と同義語であり、リーダーに限らず誰にとっても良き人生を生きるために大切なことなのですね。

当社の経営の根幹である「ES経営」を実践する上で、如何に目先の利益よりも理念勝ちで考えて行動できるか、永遠のテーマであると改めて感じました。

自分よりも部下、自分よりもお客様、自分よりも家族、自分よりも友人、このように他人のために尽くすことが最終的に自分の幸せにつながるという考え方で自然に行動できるよう、これからも修行を続けていきたいと思います。

EQ(心の知能指数)=相手の真実を感じとる力