月別アーカイブ: 2023年6月

『人的資本経営』

皆さん、こんにちは。

最近、新聞や雑誌等で「人的資本経営」という言葉をよく目にするようになりました。これは「人的資本」、すなわち従業員の知識やスキル、資格や人脈といったものや、企業組織の文化や評判といった、人に関する価値を高めることで組織全体のパフォーマンスを最大化する経営のことです。

これは当社が経営の基本方針としている「ES経営」と全く同じ考え方です。「人的資本経営」という言葉を初めて目にしたときは、「ES経営」よりも具体的で分かりやすいと感じました。また、近年、「ウェルビーイング」や「エンゲージメント」といった言葉もよく目にしますが、社会的潮流として従業員満足(ES)を重視する方向に進んでいるということは皆さんもご承知の通りと思います。

そう思うと当社が随分前から「ES経営」に取り組んできたことは間違いではなかったと思いますし、これからもまだまだ高いレベルを目指して取り組んでいきたいと考えています。

人的資本を評価するポイントとしてはいくつかあるのですが、私が一番重視したいのは「従業員エンゲージメント」です。エンゲージメントが高い人というのは自社の事業や商品・サービスに誇りを持ち、仲間に対する強い関心のもと主体的に組織に貢献します。「主体的」というところがポイントです。

逆にエンゲージメントが低い人というのは仕事のスタイルが受動型で、受け身、指示待ち、無難に仕事をこなすというイメージです。

米国の調査会社が行った最新のエンゲージメント調査では世界平均20%のところ、日本はわずか5%という結果になっています。

当社が毎年行っているES調査の満足度は2023年度で83%という結果ですが、これは「非常に満足している」と「満足している」の合計で、この内訳としては、「非常に満足している」は20%、「満足している」は63%になっています。

私の感覚では「非常に満足している」の20%がエンゲージメントの高い人というように分析しています。なので、この20%をいかに高めていくかが今後の大きな課題になってきます。

では、どうしたらエンゲージメントが高くなるのか。

先ずは、自分のやりたい仕事は何か、この会社で何を実現したいのか、もっと言えば自分の人生の目的・目標は何かといった、ありたい自分、なりたい自分を明確にすることからしか始まらないと考えています。

当社では新規事業、新規プロジェクトが近年いくつも立ち上がり、それに伴いキャリア採用を強化していますので自分のやりたい事をミッションとし、主体的に行動している方が年々増えてきています。いわゆるエンゲージメントスコアの高い方たちですね。

現在、当社のエンゲージメント率が20%(ES調査の「非常に満足している」の割合)だとしたら、これが30%、40%、50%という割合になったら、どんな組織になるのだろうか・・・、考えるだけでワクワクします。

我々経営側の課題としては従業員の皆さんがのびのびと主体的に仕事をできる環境、仕組みを整備することだと考えています。具体的な取り組みとしては、研修制度、等級制度、評価制度、賃金制度といった、いわゆる会社のトータル人事制度を再構築し、今以上に働きやすい環境を整備する予定です。来年の4月から新制度をスタートできるように打合せを進めていきます。

おかげさまで会社の成長に伴い、多様な業種、業態、価値観の方が集まり、とても面白い会社になってきました。人間は人に揉まれて成長します。それぞれが自分のやりたい事に思う存分取り組み、そして仲間と切磋琢磨し、成長し続ける、そんな素晴らしい企業文化をつくっていきたいと思います。