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『ウッドリンク・ラボ建設ストーリー』

皆さんこんにちは。

ウッドリンク・ラボが2013年に開設して早いもので10年が経過しました。これまで支えていただいたお客様への感謝の気持ちを込め、10周年記念イベントを開催させていただきました。当日は1日での来場数では過去最高となる45組のお客様にご来場いただき会場は大賑わいでした。

今回のブログでは、そもそもなぜラボをつくるに至ったのか、構想から開設までの経緯についてお話したいと思います。

ラボができるまでの今から十数年前はエンドユーザーにプレカット、プレウォールを訴求するべく、「工場見学会」というイベントを年に数回実施していました。当時は大手ハウスメーカーが自社工場の見学会をやり始めたころで、当社においても大手に負けずという想いで工務店さん支援の一環として行っておりました。

工場見学会の案内としては、現在のようなお客様1組に対して営業担当者1名でインタラクティブに対話をしながら接客するスタイルではなく、複数組のグループで一方通行的にバスガイド式で案内するといったスタイルです。

メインは工場見学なので、プレカット工場、パネル工場の生産工程を順にご案内し、最後に配送ターミナルの一角で破壊実験を行うといった流れです。配送ターミナルには商談コーナーとしてイベントの度にビックテントを設営し、寒い日はジェットヒーターを焚いたりしていました。

そのような体験から、「冬の寒い日や夏の暑い日でも、年中見学可能な全天候型の施設があったらいいな」、「全天候型であればお客様毎のベストなタイミングで施設を案内(クロージング)できるのでは」、「常設展示場を所有していない工務店さんにとっては間違いなく大きな武器になる」というようにウッドリンク・ラボ建設の想いが具体化していきました。

先ず、施設の箱としてはセミナーや商談ができるスペースとして研修棟、木材、省エネ、耐震についての体感コンテンツが並ぶ展示棟、耐震試験設備や実大構造モデルが設置可能な試験棟の3つの建屋で構成する設計としました。

建物と展示設備を合わせて数億円規模の投資になること、また、これまで工場設備以外でここまで大きな投資は初めてであったことから、投資に見合った効果が得られるのかといった議論を当時の経営陣で何度も行いました。

そして、展示棟の体感コンテンツを企画する上で、全国の様々なミュージアムやショールームを回り、検討を重ねました。展示パネルの説明文の一語一句から体感コンテンツのデザインまで、全て自分たちで考えました。この企画段階のプロセスは面白くもあり、大変な仕事でしたね。

建屋と展示内容が決まれば次は営業担当者の接客研修です。これまでのBtoBのルート営業しか経験のない社員がエンドユーザー相手のBtoCの営業を行うことになりますので、接客技術を習得するのにもこれまた大変な苦労がありました。

そのような準備を経て2013年9月に開設を迎えることができたのです。まさに「プレカット工場」から「構造体メーカー」への転換、「BtoB」から「BtoBtoC」というビジネスモデルに転換した瞬間です。全国にも類を見ない業界の大きなイノベーションでした。

丁度、ラボ開設の前後に東日本大震災や熊本地震といった震災が発生したことも重なり、お客様の耐震性、省エネ性への関心が高まり出したことから、これまでの工場見学会を大きく上回る数の来場をいただきました。それに伴いプレウォールの受注量もラボ開設前の2倍、3倍と伸びていきました。

また、家を建てる方にとどまらず、地域住民、企業、大学や研究機関、行政といった様々な方面からも見学に来られるようになり、ウッドリンクといえばラボという企業イメージがつくまでに至ったと思います。副次効果として社員のモチベーション向上やリクルートの効果も実感しています。

ウッドリンク・ラボには私たちの木に対する想い、家づくりに対する想いが詰まっています。まさに我が社のアイデンティティが具現化された象徴みたいなものと考えています。

最近は住宅を建てるお施主様に加え、店舗や施設といった非住宅を建てる事業主の方にも利用していただくように利用目的が拡大していっております。

開設から10年の歳月が経ちましたが、まだまだ宣伝不足もありウッドリンク・ラボの存在を知らない方を多くいらっしゃいます。これからも北陸で家を建てるならウッドリンク・ラボへ、と誰もが訪れる魅力ある施設に進化させていきたいと思います。