先日行ったマネジメント研修での議論から、貴重な気づきを得ましたので、共有したいと思います。
研修の中で、ある社員が次のような問いを投げかけました。「ルーティン業務以外のプラスアルファの仕事に、メンバーが前向きに取り組むためにはどうすれば良いのか?その際にどのような目的を伝えるべきか?」この質問を通して、メンバーのモチベーションを高める方法について深く考える機会がありました。
多くのメンバーにとって、もっともわかりやすい動機付けは「給与が上がる」ことだという意見がありました。しかし、日本人特有の価値観も影響しているのか、こうしたお金に関わる話題を直接伝えることに「嫌らしい」と感じ、躊躇する場面も少なくありません。リーダーとして、自己成長や部署の目標達成、さらには社会貢献といった聞こえの良い目的を伝えることが多いと感じます。もちろん、これらは非常に重要で、本質的な目的です。
しかし、現実的には「給与が増える」「残業が少なく、プライベートが充実する」「長期休暇を使って家族や友人と旅行に行ける」といった具体的なメリットの方が、よりイメージしやすく、メンバーにとってワクワクする要素であることも確かです。高い給与や働きやすい環境の中で、やりたい仕事を気の合う仲間と共にできるということは、非常に魅力的ではないでしょうか。
このように、お金や休暇の向上を目的とすることも、自己成長ややりがいを求めることも、どちらも正解だと思います。それは「必要条件」と「十分条件」の違いです。必要条件とは、仕事をする上で当然必要な条件であり、給与や休日はその一部です。一方で、やりがいや成長は十分条件に該当し、これがあればさらに良いというものです。
今回の議論を総括すると、仕事の目的を次のような流れでメンバーに伝えることが重要だと考えました。
1.スキルアップと人間的成長
2.パフォーマンスアップによる業績向上
3.スキルアップ及び業績向上による給与や待遇向上
4.会社や社会に貢献できることの満足感と幸福感
リーダーとしての役割は、この好循環をつくるために仕事の目的を明確に伝え、メンバーのモチベーションを高めていくことにあります。
社員一人ひとりがモチベーション高くワクワクしながら仕事に取り組む姿こそがES経営であり、私たちが目指すべき理想の組織です。成長と成果、そして報酬がバランス良く調和する会社を目指していきたいと思います。