2024年9月よりウッドリンクに入社いたしました、松坂 潤と申します。
「メガネの松潤」と覚えていただけますと幸いです。
今までの経歴
はじめに、転職することに至った経緯を説明させてください。
新卒で木造住宅の構造設計を行う会社に就職しました。
入社当時は、木造の用語や納まり、ソフトの使い方など、覚えることが多く、必死に食らいついて行ったのを覚えています。日々の業務では、構造計算書が一つの成果物でした。
伏図を入力する前に、構造計算がうまくまとまるように、紙に書きながら力の流れを頭で考え「構造計画」を行います。その後、構造計算ソフトに入力し、構造計画の予想通り、構造計算を終えた時は、パズルを解いたような達成感があります。
また、構造計算ソフトはブラックボックスとよく言われますが、条件入力をすれば、複雑な計算を内部で行い、結果がすぐに出てきます。内部で何が起こっているか理解していなくても、成果物は作成できてしまいます。
しかし、ソフトの中でどのように計算しているのか学ぶ必要があると考え、ソフトの仕様書や構造の基準書などを自分で読み込んで勉強していました。
その甲斐もあり、難しい物件も自分で進められるようになり、確認申請の質疑にも困ることがなくなりました。
公務員に転職
ただ、次のステップが見つからず、仕事がルーティン化していく中で「このままでは成長できない」「もっと広い経験を積みたい」と考えるようになりました。今思えば、会社から次のステップが提示されなかったこともあり、自分から新しい環境に飛び込む決意をしたのだと思います。
その後、公務員に転職し、街づくり、耐震、改修工事の現場監理など、2〜3年ごとに異動しながら多くの経験を積みました。子どもが生まれたばかりだったこともあり、ワークライフバランスの面でも良い選択だったと思います。
様々な業務を経験する中で、自分の得意分野や社会に貢献できる力を再認識し、「もっと自分の強みを活かしたい」「人生一度きり、挑戦したい」と考え、再び転職を決意しました。
木造構造技術者として、社会に貢献したい
脱炭素社会の実現に向けて、鉄骨造・RC造から木造への切り替えが10年以上前から言われていますが、進捗はまだ十分とは言えません。その原因の一つに「構造技術者の不足」があります。
もともと木造の構造設計に携わっていたこともあり、この分野で社会に貢献したいという思いで転職活動していたところ、ウッドリンクからお声がけいただき入社を決めました。

WOODCOREでの取り組み(構造コーディネーターとして)
ウッドリンクでは、非住宅木造の構造設計者として業務にあたっています。
木造はこれまで住宅向けに技術開発されてきましたが、非住宅のような大規模建築では性能不足に陥ることがあります。WOODCOREでは、その課題に対して日々技術開発を進めています。
たとえば、トラスに採用しているMPねじtype-Lや、壁倍率30倍を超える高耐力壁など、構造性能を高める技術が次々と生まれています。
建築物のスパンや階数によって求められる性能は異なります。構造技術者として、安全性を確保するだけでなく、無理のない計画とコストメリットを両立させるために、既存の技術を構造設計者の目線でコーディネートすることが私の役割だと考えています。
お客様からいただく検討依頼から課題を認識し、日々更新される技術をインプットしながら、より良い提案につなげていくことを心がけています。

構造設計とプレカットの連携
木造建築では、設計図を実現するために「プレカット」が不可欠です。構造設計が理論的に成り立っていても、現場で実現できなければ意味がありません。
営業担当を通じてお客様と構造のすり合わせを行い、プレカット担当と連携して実現していく— 構造設計とプレカットのシームレスな連携は、WOODCOREならではの強みだと感じています。
木造業界に求められる構造設計者に
今までの木造業界は、仕様規定により構造設計が求められてきませんでした。今年の法改正もあり、木造業界にも構造設計の必要性が再認識されています。
構造設計者の役割は、「安全な建物を実現すること」だと考えています。
構造計算書をつくるのは、安全を確認する一つの手段です。
安全な建物を作るために、伏図作成、構造計算を行います。そのために、設計者と対話し、理にかなった「構造計画」を練り上げていきます。
構造設計を依頼して良かったと、思っていただけるように日々の業務に真摯に取り組んでいきます。

これからも、構造技術者としての専門性を活かしながら、社会に貢献できる仕事をしていきたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
